項目 |
内 容 |
| 序文1 |
「大極動きて陽を生じ、動くこと極りて静かなり。静かにして陰を生ず。静かなること極りてまたうごく。一動一静あるに、その根となる。米の高下も天地陰陽の廻るがごとく、強気の功あらはれて、はなはだ高くなり、上がる理極れば、その中に弱気の理を含む。弱気の功あらはれて、はなはだ安くなれば、その中に強気の理を含む。万人の気弱き時は、米上がるべきの理なり。諸人気強き時は、米下がるべきの種なり。是みな天性理外の理なり。」
これは三猿金泉秘録の序文です。相場は常に理屈では割り切れない動きをします。所謂「理外の理」と言うやつですね。相場は理外の理で動く。常に落とし穴が存在して理屈では割り切れない動きをするから、その動きに惑わされ失敗するわけですが、その心理を戒めている教えです。 |
| 序文
2 |
目に強変を見て、心に強変の淵に沈むことなかれ。只心に売りを含むべし。
耳に弱変を聞いて、心に弱変の淵に沈むことなかれ、只心に買いを含むべし。 強弱変を見聞とも、人に語ることなかれ。言えば人の心を迷わす。
是三猿の秘密なり。金泉録とは此書の名なり。 高安の 理は空理にて 眼に見へず 影も形も 無きものが体(無極)
。 上の句の心を考ふるに、法をもて上るとも いつ下がるとも定まらざるが空理なり。空理とみれば 千年に一度も売り買する時節はなし
また下の句の心を考ふるに 影も形も無きものが体とあり。体あれば定式あり 定式あれば売買あり。 仏道の定式は五戒 儒道の定式は五常 神道の定式は智仁勇の三徳 みなそれぞれに定式あり
。 古米おほく 安き値段を新米にうつしたる歳は 空腹上り有る年なり是を順乗のとしといふ 。
古米すくなくして 高き値段を新米へうつしたる歳は 空腹下りのあるとしなり。六七八月に強変いづれば まさしく空腹さがりの歳なり是を変乗の歳といふ。売買の定式は 逆平(ぎゃくへい)順乗のふたつなり
。 逆平にて平買(たいらがい)にこれを買。順乗とは 上る道理をただしく見つけ 乗買(のりがい)に買を順乗といふなり
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| 資金管理 |
売買はいくさの備えも同じこと、米商いの軍兵は金
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| 文殊でも備えのたたぬ商いは 高下の変が出ればやぶるる |
備へなき商いならば いつにても 損得なしに 商い禁制 |
ふところに金をたやさぬ覚悟せよ 金は米釣る餌と知るべし |
| 鞘 |
高下とも 一割五分の大鞘は いつでも米にむかう理としれ |
上がる理と 皆人ごとに 極めたる大鞘ものに はたの種まけ |
下がる理と 皆人ごとに 極めたる大下鞘に買いの種まけ |
| 弱気の理、世に現われ出ればみな弱気、何時にても買いの種まけ |
秋の米、から腹上がりまちうけて、二割あがれば売りの種まけ |
強変が 現れ出れば 皆強気 了見なしに売りの種まけ |
洪水と 大風吹きの 飛あがりは あほうになって売りの種まけ |
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試し玉 |
いつにても、二割上げては 九分一分 千天元(試し玉)の売旬と知れ |
| いつにても、三割下げは米崩れ 萬天元(試し玉)の買旬と知れ |
上がる理と 皆人ごとに 極めたる大鞘ものに はたの種まけ |
下がる理と 皆人ごとに 極めたる大下鞘に買いの種まけ |
秋の米、から腹上がりまちうけて、二割あがれば売りの種まけ |
強変が 現れ出れば 皆強気 了見なしに売りの種まけ |
洪水と 大風吹きの 飛あがりは あほうになって売りの種まけ |
桙霏圓ニ 高きをば、せかず急がず待つは仁。向かうは勇、利乗せは智の徳
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売り買いを、せかず急がず待つは仁。とくの乗るまで待つも仁 |
買いぜきをせぬが強気の秘密なり。いつでも安き日を待って買え |
売りぜきをせぬが弱気の秘密なり。いつでも高き日を待って売れ |
せくゆえに安きを売りて、あたまから高きを買ってからうす(反対の売買)をふむ |
下がる理も 桙「たらねば下がるまじ、売りぜきするは大たわけなり |
| 時を待て |
高きをば、せかず急がず待つは仁。向かうは勇、利乗せは智の徳 |
売り買いを、せかず急がず待つは仁。とくの乗るまで待つも仁 |
買いぜきをせぬが強気の秘密なり。いつでも安き日を待って買え |
売りぜきをせぬが弱気の秘密なり。いつでも高き日を待って売れ |
せくゆえに安きを売りて、あたまから高きを買ってからうす(反対の売買)をふむ |
下がる理も 時いたらねば下がるまじ、売りぜきするは大たわけなり |
| 逆張り |
高下とも五分、一割にしたがいて、二割、三割は向かう理と知れ |
いつとても買い落城の弱峠、こわいところを買うが極意ぞ |
いつとても売り落城の強峠、こわいところを売るが極意ぞ |
向かう理は、高きを売りて安きを買う、米商いの大秘密となり |
売買は 五分高下にて 慣らすべし 乗も同じく 五分高下なり |
三割の高下にむかう商内は、金の湧き出る泉とは知れ |
百年に九十九年の高安は 三割こえぬものと知るべし |
| 分割
売買 |
買い米を一度に買うは無分別。二度に買うべし、二度に売るべし |
売買は 五分高下にて 慣らすべし 乗も同じく 五分高下なり |
| 乗せ |
高下とも五分一割は乗せがよし、中墨すぎて乗せは馬鹿なり |
高下とも長き足には乗せがよし、短か足には乗せざるがよし |
| 材料と
人気 |
万人の気弱きときは米上がるべきの理なり。諸人気強きときは米下がるべきの種なり |
万人が心に迷う米なれば、つれなき道へおもむくがよし |
万人が万人ながら弱気なら、のぼるべき理をふくむ米なり |
千人が千人ながら強気なら、くだるべき理をふくむ米なり |
千人が千人ながら強気なら、くだるべき理をふくむ米なり |
千人が千人ながら強気なら、くだるべき理をふくむ米なり |
野も山も皆一面に弱気なら、阿呆になりて米を買うべし |
万人が万人ながら強気なら、たわけになりて米を売るべし |
万人があきれはてたる値が出れば、それが高下の界(さかい)なりけり |
豊年は 万人気弱く 我弱し 安きによって 売は禁制 |
凶年は 千人気強く 我強し 高きによって 買は禁制 |
弱気理 世に現れ出れば みな弱気 安きに依って はたは禁制 |
強変が 現れ出れば 皆強気 高きによって 買いは禁制 |
上がり足 短く見ゆる 米ならば 気は強くとも 買いは禁制 |
下がる理と 手に取るように 思えども 秋穂のうへの 売りは禁制 |
天性の 理は水無月(六月)に 出ると知れ 米に随い 平乗禁制 |
洪水と 大風吹きの 飛あがりは いつの年でも 買いは禁制 |
米崩れ 買い落城の 飛び下げは 気は弱くとも はたは禁制 |
米枯れに はた落城の 飛び上げは 気は強くとも 買いは禁制 |
| 季節的
要因 |
買い時は 端午名月 米ざかり はたは水無月 文月(七月)と知れ |
大法が 秋名月が 安峠 五月下旬が 高峠なり |
大法が 秋冬五月 はた禁制 春六七月 買は禁制 |
下がる理と ただしく思う 米にても 四五月頃の はた(売り)は禁制 |
五月米 人気弱くて 値は上がる 子々孫々まで 売りは禁制 |
半扱
商内 |
「安き日に千両買い、五分か一割飛び上がりたる日、半分仕舞う これ半扱なり |
また、五分か一割下がるとき、五百両買足す この商内の仕方を買建半扱商内というなり |
売建半扱商内も右同意なり 高下に利徳あり |
米の本体を失わずして 天下第一のめづらしき徳商内としるべきなり」 |
| すわり(保合)には 三平二乗 半扱商内 高安ともに 平乗禁制 |
すわりには 売転変に買転変、徳を逃がすな 半扱安楽 |
高安に気の安らかな半扱商内 寝ても起きても徳とれるなり |
売買に 徳の乗りたる商内は 半扱商内のすくい場と知れ |
安楽
商内 |
「米上がり足なれば 買建の安楽と定め、安き日買い始め |
五分か一割たかき日、商内残らず売り払い徳をとり |
また、五分か一割下がるとき、もとの如く買い取り、また高き日売り払う |
この商内の仕方を買建安楽商内という。売建安楽商内も同意なり 半扱商内より利徳多し」 |
転変
商内 |
「買建転変、売建転変のふた商内あり。 |
買建転変の商内は、上がり足の米と見定めたらば、買いを多く、売りを少なく商内すべし。 |
その仕方は安き日 千両買い、五分か一割たかき日、千三百両売って、O百両売りになる。 |
また、五分か一割安き日 千三百両買い、もとの如く千両買揩ソになる。 |
是を買建転変商内という。売建転変商内も右同意の仕方なり |
売り方損商内 了簡違いと思うとき、早く見切り転変して強気となり買うべし。一心たちまち安楽にして徳商内となるべし。買い方損商内も同意なり」 |